市販の化粧品がどうもヒリヒリする、かゆみや痛みが気になるなど、「私って敏感肌かも?」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。また、自分が敏感肌だと思っていて、「どうして私は敏感肌なの?」と気になっている人もいるでしょう。
敏感肌をケアするにあたっては、まずは敏感肌がどういったもので、その原因や対処法はどういったものなのかを知っておく必要があります。
このページでは敏感肌に関する基本的な知識をまとめていますので、本格的にケアをしていく前に一度しっかりと読んでみてください。
Contents
敏感肌とはどういう状態を指すのか

敏感肌とは、何らかの理由により外的刺激に対して弱くなってしまっている状態の肌を指す言葉です。これは医学的に定義されているものではなく、刺激によってヒリヒリ感や赤みなどが出てしまう肌を一般的に敏感肌と呼んでいるに過ぎません。
症状としてよく言われているのは下記のようなものです。
- ヒリヒリ感
- 赤み(火照り)
- かゆみ
- かぶれ
- 洗顔料の使用
- 化粧品の使用
- 紫外線
- 衣類や髪の毛のこすれ
- 季節や温度の変化
しかし、敏感肌の人というのは、このバリア機能が正常に働いていない状態であることが多く、そのために外からの刺激に敏感になってしまっていることが往々にしてあるのです。
普通の化粧品ではひりつきを感じてしまう人、肌にかゆみが頻繁に出て気になってしまう人などは、敏感肌である可能性が高いので、敏感肌の人用のスキンケアを意識してみる必要があるでしょう。
なお、顔だけではなく、腕や脚などの他の箇所も敏感肌になることがあります。ひりつきや赤みが出ている箇所は、敏感肌を疑ってみてください。
POINTこんな人は敏感肌かも?
- 他の人と同じような化粧品を使っているのに自分だけ刺激を感じる
- 髪の毛や衣類が肌に当たるとチクチク気になってしまう
- 洗顔後やスキンケア後にかゆみや痛みを感じる
肌のバリア機能とは?

ここで、肌のバリア機能について詳しく説明しておきます。
肌をダメージから守ってくれるバリア機能は、肌の一番外側にある角質層がその役割を担っています。
そして、その角質層に含まれる下記の3つが、バリア機能の維持に大きく関わっています。
成分 | 説明 |
細胞間脂質 | 細胞間脂質と言うと聞きなれないですが、これはセラミドのことです。角質層が持つ保湿力の8割程度を占めている非常に重要な成分です。 |
NMF | Natural Moisturizing Factorの略で、日本語に直すと天然保湿因子となります。主にアミノ酸のことを指していて、水分を吸着することで潤いを保つという役割を持っています。 |
皮脂膜 | 肌の表面を覆っている膜です。汗と皮脂が混ざり合うことによって水分と油分を含んだクリームのようになっています。 |
これらの成分が減少してしまうと、バリアが機能しなくなって肌が刺激に弱くなるのです。生まれつき敏感肌ではなかったのに敏感肌の症状を感じるようになった人は、上記成分が不足している可能性があります。
敏感肌を引き起こす原因
敏感肌が発生してしまう具体的な原因としては、下記のようなものが考えられます。
間違った洗顔やスキンケア
日頃行っているスキンケア方法が間違っていて、必要以上に肌に刺激を与えてしまっていたり、肌のバリア機能にダメージを与えてしまったりしていると、敏感肌の症状が出やすくなります。
例えば、ツルツルの肌になりたいからと刺激の強いピーリングを毎日のように行っていたら、肌はどんどん刺激に弱い状態になってしまいます。特別刺激が強いわけではない洗顔料でも、ゴシゴシとこすり洗いをしてしまうと、やはり肌にダメージが残ります。
生活習慣
生活習慣の乱れが肌に悪いことは有名です。毎晩遅くまで夜更かしをしていて睡眠不足の状態が続いていたり、栄養の偏った食事ばかり続けていたりすると、肌も弱ってきてしまうのです。
身体に悪い生活を送っている人の肌はターンオーバーが正常ではなくなり、肌のバリア機能が整わなくなってしまうため、外からの刺激に対して弱い状態になってしまいます。
肌を健康にしようと思ったら、身体全体の健康に気を遣う必要があるのです。
ホルモンバランスの乱れ
特に女性は、月経や妊娠などによって体内のホルモン量が変化するため、肌の状態も変動的です。肌が敏感になる時期に普段と同じ洗顔やケアをすると、普段より強い刺激を感じてしまうことがあります。
また、生活習慣が乱れることによってホルモンバランスが乱れると、やはり肌のコンディションにも影響が出てきます。
一時的な敏感肌の症状が繰り返し現れている場合、ホルモンバランスの移り変わりを疑ってみて、それに合わせてケア方法を変えることで症状が改善されるかもしれません。
遺伝や体質
アトピー性皮膚炎やアレルギーなどを持っている人は、その影響によって肌が刺激を感じやすくなっている可能性があります。
肌が敏感になる原因が分からない人は、一度医療機関などでしっかり調べてみると、実はアレルギーが原因だったということが判明するかもしれません。
敏感肌の原因が遺伝や体質にある場合は、皮膚科へ相談してみることで改善策が見つかる場合もあります。
敏感肌を改善するには?

敏感肌を改善するためには、まず敏感肌の原因となり得るものを取り除いていくことが大切です。そのために必要なことは下記です。
正しいスキンケアを行う
肌にダメージを与えてしまうようなスキンケアを行っていた人は、刺激を与えず、潤いやバリア機能を損なわないようなスキンケア方法に変えましょう。
クレンジング・洗顔
メイクを落とすためのクレンジングは、一般的にオイルタイプよりもクリームタイプのものを使用した方が肌にダメージが入りません。
オイルクレンジング後は肌がヌルヌルするため、さっぱりさせるためにダブル洗顔をしっかり行ってしまいがちです。強く洗われすぎた肌は油分がなく、乾燥しやすくなり、バリアも失われるため敏感になりやすいのです。
また、油分と水分を混ぜ合わせるための界面活性剤が多く含まれているものだと、肌に必要な油分まで洗い流してしまうので注意しましょう。
正しいクレンジング方法・洗顔方法は下記の記事で解説しているので、併せてご確認ください。
化粧水やクリーム
敏感肌になると水分が出ていってしまい、乾燥状態になることが多いので、保湿を意識したケアをすると良いでしょう。刺激を感じやすくなっているので、敏感肌用の刺激の弱い化粧品を使うことがおすすめです。
また、前述のバリア機能を補えるような成分(セラミドやアミノ酸など)が含まれている化粧品を使用すると、弱ったバリア機能が回復する助けになります。
添加物が多いものや、アルコールでスースーするようなものは可能な限り避けると良いでしょう。
メイク用品や日焼け止め
刺激の弱いものを使うのはもちろんですが、ベースメイクで紫外線を防ぐことで、紫外線によるダメージから肌を守ることもできます。
乾燥した状態で紫外線を浴びると簡単に日焼けしてしまうため、肌への負担の少ない日焼け止めを持ち歩き、こまめに塗り直すようにするのが理想的です。
また、メイクは落としやすいものを使用することで、クレンジングの際に肌に負担をかけずに済みます。
生活習慣を整える
肌のコンディションは生活習慣からかなりの影響を受けます。逆に言えば、これまで生活が乱れぎみだった人は、それを改善するだけで肌も元気になる可能性があるのです。
睡眠
元気な肌を手に入れようと思ったら、睡眠不足は絶対にNGです。適切な睡眠時間は人によって様々ですが、できれば7~8時間、最低でも6時間は毎日寝るようにしましょう。
また、睡眠にはゴールデンタイムと呼ばれるものがあり、PM10時~AM2時の間に睡眠をとっているとより肌が健康になると言われています。毎晩10時に就寝するのはやや難しい人もいるかもしれませんが、できる限りこの時間帯は寝ているようにすると良いでしょう。
食生活
栄養が偏っていると、肌の健康が損なわれてコンディションが悪くなります。特に肌に関わる栄養素としては、タンパク質が挙げられるでしょう。肉や魚などを毎日十分に摂取することで、ハリつやのある肌を保つことができます。
また、ビタミンA、C、E、B群なども皮膚の健康を保つのに有効な栄養素です。バランスの良い食生活を心がけるだけでも、肌の調子が変わってくるのを実感できるでしょう。
食生活については下記の記事で詳しく説明しています。
ストレス
ストレスが過剰になっている状態だと、肌が刺激に対して敏感になることがあります。十分な睡眠とバランスの良い食事でストレスを軽減し、あまりにストレスが強い状況が続いている時はその環境から離れることも検討してみてください。
まとめ
敏感肌は生まれつきの肌質の場合もあれば、誤ったスキンケアや乱れた生活習慣が原因で生じる場合もあります。
以前はそうではなかったのに最近敏感に感じるようになってしまったということであれば、何らかの原因がある可能性が高いので、生活スタイルやスキンケア方法を見直してみてください。
肌質やアレルギーが原因かもしれない場合は、一度医療機関で調べてもらうと良いでしょう。
敏感肌のケアで化粧品を選ぶ場合は、保湿力が高いものや、肌のバリア機能に関係した成分が含まれているものを選ぶと改善する可能性があります。
また、洗顔やメイクなど肌につけるもの全般的に、刺激の少ないものを選ぶようにすると良いでしょう。